ロシア語は名詞や代名詞が文の役割に応じて形を変化させます。ここではまず、名詞の複数形(主格)と、人称代名詞の主格形について整理してみましょう。
1. 名詞の複数形(主格)
ロシア語では、名詞の性(男性・女性・中性)や語尾によって複数形の作り方が変わります。
(1) 男性名詞
多くの男性名詞は子音 + ы / иで複数形になります。
- стол(机)→ столы
- брат(兄弟)→ братья(不規則変化)
子音の直前が「к, г, х, ж, ч, ш, щ」の場合はыの代わりにиを用います。
- друг(友達)→ друзья(不規則変化)
- врач(医者)→ врачи
(2) 女性名詞
- 語尾が -а の場合 → -ы / -и に変化
- книга(本)→ книги
- лампа(ランプ)→ лампы
- 語尾が -я の場合 → -и
- неделя(週)→ недели
(3) 中性名詞
- 語尾が -о → -а
- окно(窓)→ окна
- 語尾が -е → -я
- море(海)→ моря
(4) 特殊変化
いくつかの単語は不規則に変化します。
- человек(人間)→ люди(人々)
- ребёнок(子供)→ дети(子供たち)
2. 人称代名詞(主格形)
ロシア語の人称代名詞は英語の I, you, he, she… にあたるものです。主格では次のように変化します。
人称 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | я(私) | мы(私たち) |
2人称 | ты(君・親しい相手) | вы(あなたがた / あなた〔敬称〕) |
3人称 | он(彼) | они(彼ら / 彼女たち / それら) |
она(彼女) | ||
оно(それ・中性) |
補足
- ты と вы の使い分けは重要です。тыは親しい相手に対して、выは複数形と同時に敬語としても使われます。
- ониは人間に限らず、物や動物の複数にも使えます。
まとめ
- 名詞の複数形は語尾によって規則的に変化しますが、不規則な単語もあるので注意が必要です。
- 人称代名詞は英語と同じように主語としてよく使われますが、ロシア語では動詞の活用が主語を示すので、省略されることも多いです。
👉 名詞の複数形を覚えると、文章をより自然に組み立てられるようになり、代名詞を使いこなせば会話がぐっとスムーズになります。