ロシア語独学⑥:名詞の格変化 ― 男性・中性・女性名詞ごとの基本

ロシア語の名詞は、**性(男性・女性・中性)と格(6種類)**によって形が変化します。格変化は文法の中核であり、主語・目的語・所有などを表すために欠かせません。ここでは、性別ごとに代表的な語を例に、格変化を一覧表で示します。


1. 男性名詞の格変化

男性名詞は、語尾が子音で終わるもの(硬変化)、-й、-ьで終わるもの(軟変化)があります。

例:стол(机、硬変化)

用法
主格(主語)誰が/何がстол
属格(所有・否定)誰の/何のстола
与格(間接目的語)誰にстолу
対格(直接目的語)誰を/何をстол
造格(手段・方法)誰で/何でстолом
前置格(場所・話題)誰について/何について(о) столе

例:учитель(先生、軟変化)

主格учитель
属格учителя
与格учителю
対格учителя
造格учителем
前置格(об) учителе

2. 中性名詞の格変化

中性名詞は語尾が -о、-е、-мя で終わります。変化は比較的単純です。

例:окно(窓)

主格окно
属格окна
与格окну
対格окно
造格окном
前置格(об) окне

例:море(海)

主格море
属格моря
与格морю
対格море
造格морем
前置格(о) море

3. 女性名詞の格変化

女性名詞は -а、-я、-ь で終わります。語尾の種類によって細かく変わります。

例:книга(本、-аで終わる)

主格книга
属格книги
与格книге
対格книгу
造格книгой / книгою
前置格(о) книге

例:дочь(娘、-ьで終わる)

主格дочь
属格дочери
与格дочери
対格дочь
造格дочерью
前置格(о) дочери

まとめ

  • 男性名詞:子音・-й・-ьで終わる。硬変化と軟変化に分かれる。
  • 中性名詞:-о、-е、-мяで終わる。規則的で覚えやすい。
  • 女性名詞:-а、-я、-ьで終わる。語尾によって変化が異なる。

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